ここでは不妊原因で男性に多いものをご紹介します。
不妊の原因にはいろいろありますが、一番大切なのはご夫婦がお互いを思いやる気持ちです。
赤ちゃんは一人で授かるものではありません。子育ても同じです。
造精機能障害
不妊、男性因子の約8割~9割が造精機能障害といわれています。
そのうち5割から7割は、突発性造精機能障害といって原因不明といわれています。
乏精子症、無精子症、精子無力症、奇形精子症など、精子の異常により不妊となります。
成人してからの高熱は、造精機能障害の原因のひとつになります。
精路通過障害
精管の一部が欠けるなどして、精子が通過できず無精子症になります。
不妊、男性因子の約1割が精路通過障害といわれています。
先天的な精管欠損症の他、手術の際に精管を切断したり、炎症の後遺症などで精路が塞がってしまったり、発育障害による閉塞が原因とされています。
精子機能障害
精嚢炎、前立腺炎、精巣上体炎、抗精子抗体などの免疫異常が含まれます。
精子造成の機能自体に問題はありませんが、精子の機能が低下している場合をいいます。
性機能障害
勃起障害、逆行性射精、射精不能、早漏、高度の尿道下裂、性欲の低下などが含まれます。
多くの場合、心理的なストレスなどが原因となる為、メンタル面でのケアが重要と考えます。
中医学で考える男性因子
中医学で男性因子について考える時は、その方の体質や職場環境、家庭環境を含める生活スタイル、食生活や既往症など、さまざまな素因から体のどの部分に問題が起きているのか、を調査していきます。タイプは大きく7つ、表れる症状も少しづつ違ってきます。
腎陰虚(じんようきょ)
勃起頻発で性欲亢進またはインポテンツ、早漏、遺精、精液減少、乏精子症、運動率低下、死滅精子が多い、精液不液化
湿熱(しつねつ)
インポテンツ、血精症、膿精症、精液不液化、死滅精子が多い、運動率低下、奇形率が高い
痰湿(たんしつ)
性欲低下、インポテンツ、陰茎のしこり、慢性前立腺炎、前立腺肥大、乏精子症、精液不液化、運動率低下
気滞血お(きたいけつお)
精索静脈瘤、インポテンツ、精管の詰まり、不射精、陰茎のしこり、前立腺肥大、閉塞性無精子症または乏精子症
肝鬱気滞(かんうつきたい)
性欲減退、インポテンツ、早漏、不射精、精子減少、高プロラクチン血症
精気不足・気血不足(せいきぶそく・きけつぶそく)
乏精子症、運動率低下、インポテンツ、早漏
精気不足は上記に加えて、奇形率が高い
気血不足は上記に加えて、性欲低下、射精無力
腎陽虚・脾腎陽虚(じんようきょ・ひじんようきょ)
インポテンツ、早漏、滑精、乏精子症、運動率低下、死滅精子が多い
脾腎陽虚は上記に加えて、性欲低下、精液稀薄、奇形率が高い
3つの対策ポイント
男性の場合、自覚症状も他の人から見ても変化がないようにみえても、知らず知らずのうちに生殖機能が低下しているといったことがあります。不摂生な食生活、過度の飲酒、喫煙、不規則な生活スタイル、会社や家庭から受けるプレッシャーによって蓄積されたストレス、運動不足・・・、ひとつ或いは複数「あ。」と、思い当たることがあるのではないでしょうか。
そうした毎日の積み重ねが、徐々に体内に蓄積され、男性不妊の原因や病気の原因になっていくのです。男性の場合は無精子症などの問題を抱えている方以外は、ちょっとした工夫で早期解決に至ることが多いです。是非、参考になさってみてください。
ストレスと上手に付き合う
職場や家庭など、ストレスを感じても我慢していませんか?またストレス解消する時間もないほど多忙な毎日を送っていませんか?
「最近、疲れが取れにくくなったな」と感じている方は、まず『休日と出勤日のメリハリをつけること』です。
休日は疲れて眠り倒したいかも知れませんが、山や海へでかけたり、散歩したり、映画を観に行ったり、という風に体を動かしてみてください。
そして『残業するより早朝出勤する』です。夜遅くまで仕事をすることは心身ともに疲れを増幅させます。満員電車を避けられるというメリットもあります。
血液をサラサラにする
デスクワークが長い方や運動不足の方、移動は車の方、偏食の方、外食・コンビニ食・ラーメン・味の濃いもの・ジャンクフード・お肉が好きな方、喫煙される方などは血液の流れが滞っていないか、常にチェックする必要があります。
血液が汚れて、流れがスムーズでないと、精子の活動力を低下させるだけでなく、生活習慣病など大病の原因にもなります。
にんにく・ししとう・玉ねぎ・らっきょう・トマト・ほうれん草・まいわし・サバ・アジ・うなぎは血液をサラサラにしてくれる食物です。積極的に採りましょう。
またストレッチやヨガ、ウォーキング、水泳など、こまめに体を動かしましょう。
老化を防ぐ!
「この頃めっきり弱くなって・・・」性欲がわかない、以前と比べて淡白になった、白髪が多い、お酒を飲む時なにも食べない、といった方は老化現象が訪れているのかも知れません。老化現象は年齢に関係なく表れることがあります。中医学では腎虚(じんきょ)といいます。
黒ごま・黒きくらげ・黒米・黒豆・山芋といった腎の働きを助ける食べものを積極的に採り、漢方薬も活用して早めに対応しましょう。
男性もナイーブ
男性はとかく感情表現が苦手です。微妙な仕草、変化、ニュアンスに気づかないこともしばしばあります。
「わたしは頑張っているのになんでわかってくれないの!?」という妻の言葉に「態度だけでは判断できない」「言葉にして伝えて欲しい」そう思っている男性も多いのでは・・・。
また、悩んでいない風に見えても「子どもが早く欲しい」と切実に悩んでいることもあります。
言葉にださないだけです。
特に男性側に不妊因子があるとわかっている場合は、プライドはずたずたに引き裂かれ傷ついている状態、この状態に追い討ちをかけるようなこと、つまりプレッシャーを与えることは状況を悪化させるだけです。
男性の不器用さを温かく見守り、夫婦で過ごす時間を大切に、楽しんでいただきたいと思います。
「目標は妊娠!」
を一旦横に置いて、お互いを見つめあう時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
男性不妊の漢方対応は、男性の心身を健康にするもの、大病を予防するものでもあります。
「不妊治療」と思わずに「元気に健康に長生きするため」と思って、試してみてください!
早め早めの対処が肝心です。
岡田厚生堂薬局では、ひとりひとりに合った方法をご提案しています。
是非、お気軽にご来店・ご相談ください♪